【2005.03.21】
10年近く前に「バロック・アナトミア」という写真集を見て以来、かなり本気でいつか行きたいと思っていたラ・スペーコラ(La Specola)に、とうとう行くことができた。
万歳。生きてるってすばらしい!
フィレンツェ大学内の動物学標本を陳列した博物館ということで、大学校舎の一角にあり、普通の博物館よりも学術的要素が強いらしいんですが……確かに、入り口がすごく地味で、「Museo ⇒」という案内がなければ見つけられずに帰ってしまうんじゃないかと思える。
博物館内部。
「動物」全般の標本や剥製が、これでもかというくらいに並んでいる。「動物」なので、当然無脊椎動物も含む。一種、不気味な雰囲気があるかもしれない。スプラッタとかグロとかGとか苦手な人にはおすすめできない陳列物が山盛り。
私もさすがに多足生物やら軟体生物やらの標本は勘弁してほしいところです。が、これはこれで非常に興味深い。
というかね、剥製とはいえ、写真でしか知らない生き物を、実物大で、間近で見られる機会ってなかなかないと思う。
ちょっとでも興味のある人、目黒の寄生虫博物館が面白いと思った人にはかなりオススメ。
……そして本命。人体の解剖学模型。
ルネッサンス期に罪人(とは限らない?)を解剖した際のスケッチをもとに起こした(らしい)、ものすごくリアルで真に迫った蝋細工の模型が、思わず「ごめんなさい」と言ってしまうくらい並べられている。ものすごく詳細に、細かいレベルで、組織や器官を丁寧に一つ一つ外していきながらスケッチしていったものを、これまた丁寧に忠実に模型にしている。ついでに、そのスケッチも(たぶん一部だけだけど)展示されている。
職人すごい。人間の探究心も本当にすごい。恐怖を感じるくらい、すごい。
各組織へのびている血管や神経の様子や、眼球の内部構造、消化管、循環器官の構造、脳随の構造、性器はおろか、胎児の成長過程や胎盤、子宮の成長過程まで、事細かに、これでもかというくらいスケッチされ、模型にされている。ボタニカルアートも真っ青なくらいに精密なスケッチも、ところ狭しと展示されている。
当時、カソリック教会からの締め付けとかはかなり厳しかったと思うのだけど、それを押しのけてでも人体の神秘を解き明かそうとした情熱とか執着とか、このスケッチや模型を見るとしみじみ怖いと思う。
午前中、ラ・スペコラを満喫して満足したところで、ホテルに預けておいた荷物を引き取り、ヴェネツィアへ移動。
どうでもいいけど、なぜ「ヴェネツィア」だけ「ヴェニス」と日本語表示されるのだろう?
フィレンツェは「フローレンス」じゃないのに。
で、ES*ではいつものように爆睡して(検札が回ってこなかったのは、気のせいですか?)、ヴェネツィア到着。
メストレ駅からサンタ・ルチア駅までは15分くらい橋をわたり続けていた。
白状すると、今回来ることになって初めて、ヴェネツィアが島の集合でできてるということを知った。これまで、単に陸続きの場所になぜだか運河を掘りまくって今みたいな形にしたんだと思ってた。
イタリアにはあまり興味がなかったんだ。飯と酒と美術品は好きだけど。
そしてヴェネツィア駅前。「駅を出たらいきなり運河」というのは、知ってても途方に暮れると思う。
ここじゃバスもタクシーも何もかも船。考えてみたら当たり前だけど、車は町に入れないのだそうだ。町の入り口にある駐車場に止めて、徒歩と船で町を歩かなくてはいけないらしい。
切符を買い、ヴァポレットというバスにあたる船に乗り込んで、ホテルの側の停泊所まで移動。
「生活するテーマパーク」とガイドブックに書いてあったけど、こりゃたしかにそうだ。まるで、生活感のあるハウステンボスやらディズニーランドに来ているように感じてくる。これは面白いかもしれない(笑
ところで、出発前、日本でいうマップルみたいな、map24.comという地図サイトでホテルの住所で表示された周辺の地図を印刷し、それをを片手にホテルを探していたのだが……目的のホテルが見つからない。
よくよく見ると、ホテルの住所と、道路に表示されてる番地が明らかに違う。なんということだ。
ヤバい、ホテルにたどり着けなかったらどうしようかと思いながらふらふら停泊所近くの広場に戻ると、そこには「Internet@Point」の看板が!
すぐにそこに入り、PCを借りてホテルのサイトと今度こそ正しい地図を確認。
……ホテルは一つとなりの停泊所の側でした。map24に騙された……。
今度はすぐに(といっても、あまりに細い路地だったんで、一度通り過ぎたけど)ホテルを見つけて無事チェックイン。
荷物を置いた後、夕食を食べるために再び町中へ。
うろついているとき、あちこちに画材店があったのだけど、そのウィンドウには油絵具の色のもと、つまり顔料が展示売りされていた。
たしかに、(ヴェネツィアだけでなく、フィレンツェでもだったけれど)町のいたるところで絵描きが絵を描いている。他の場所ではあまり見かけなかった。
やはり町自体が美しくて、「絵になる」からだろうな。
で、顔料だけでこれだけたくさん売られてるってことは、つまり自分でこれに油混ぜて自作油絵の具を作って描く人が多いってことか。すごいな。
はてはコレでテンペラ画とかフレスコ画も描いてしまうんだろう。
考えたら面白くて、うっかり後先考えずに何色か衝動買いしたくなった。
買ってどうするんだよ。